大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)1301 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人及び弁護人高橋喜一の上告趣意は末尾添附のとおりである。

被告人の上告趣意について。

第一点 論旨は、原判決及び第一審判決には審判の請求を受けない事件について

判決した違法があると主張するのであるが、公訴事実の記載と原判決認定の事実と

は同一であることが記録上明かであるから所論の違法はない。

第二点及び第三点。

論旨は、憲法違反、採証法違反、審理不尽などを主張するのであるが、その実質

は事実誤認、若くは事実審の証拠の証明力に対する判断を争うことに帰するのであ

つて、適法な上告理由とならない、しかも原判決のこの点に関する判断は日常経験

則に反するものとは言えないから論旨はとるを得ない。

第四点。

論旨は、判例違反は憲法三七条違反を主張するけれども、その実質は刑訴四一一

条に該当する事由のあることを主張するに過ぎないので、上告適法の理由にならな

い。

第五点。

論旨は、量刑不当の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

第六点。

論旨は、本件に対する綜合的意見として要するに本件は、詐欺罪にあらずして民

事々件であると立論し原判決には事実誤認、採証不当、量刑不当等があるとして独

自の見解の下に憲法違反を主張するのであるが、所論は前提において誤つているば

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かりでなく、刑訴四〇五条の上告理由にも当らない。

弁護人高橋喜一の上告趣意について。

所論は、第一審判決は憲法三七条一項に反した違法があると非難するが同条同項

の「公平なる裁判所の裁判」というのは組織及び構成において偏頗のおそれなき裁

判所の裁判という意味であるとはしばしば当裁判所の判例等(昭和二二年(れ)第

四八号、同二三年五月二六日大法廷判決)に示されたとおりであるから論旨は理由

がない。

なお記録を調査しても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和二七年六月二四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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